お酒と頭痛の関係|揮発酸・フーゼル油解説
お酒を飲むと頭が痛くなることがありますが、これはアルコール以外の成分、特に揮発性成分である揮発酸やフーゼル油が関係している場合があります。
ここでは日本酒・ワイン・ウイスキー別に、その特徴と頭痛リスクを整理しました。
お酒の辛さの原因:揮発酸とフーゼル油
ワインやウイスキー、日本酒の「辛さ」や「ツンとした刺激」に関係する成分として、揮発酸とフーゼル油があります。ここで詳しく解説します。
揮発酸(Volatile Acids)
- 概要:発酵過程で酵母が生成する酸の一部で、アルコールと一緒に揮発します。代表的なものは酢酸や酪酸。
- 少量:香りのアクセントになり、味わいに複雑さを与えます。
- 過剰:ツンとした酸味、刺激臭、口にピリッとくる辛さの原因。
- 熟成での変化:樽の成分や酸化反応で和らぎ、フルーティーな香りに変化します。
フーゼル油(Fusel Oil)
- 概要:アルコール発酵の副産物としてできる高級アルコールの混合物。主成分はプロパノール、ブタノール、アミルアルコールなど。
- 少量:味にコクや厚みを与えます。
- 過剰:舌や喉にピリッとした刺激、苦味や辛味の原因。
- 熟成での変化:揮発や樽との反応で丸くなり、まろやかになります。
揮発酸・フーゼル油と頭痛リスク一覧
酒の種類 | 揮発酸の特徴 | フーゼル油の特徴 | 頭痛リスク | ポイント |
---|---|---|---|---|
日本酒(生酒) | 少なめ。爽やかでフレッシュ | ごく少量 | 低 | フレッシュ感があり、口当たりが優しいため頭痛になりにくい |
日本酒(火入れ/古酒) | 少なめ~中。角が丸くなる | 少量 | 中 | 熟成により酸の刺激は減るが、アルコールや旨味で負担増す場合あり |
ワイン(若いワイン/新酒) | 多め。酸味が強くツンとする | 少量 | 中〜高 | フレッシュで酸が強いと頭痛になりやすい |
ワイン(熟成ワイン) | 減少。酸味がまろやか | 少量 | 低〜中 | 熟成により酸が落ち着き、頭痛リスク低下 |
ウイスキー(新蒸留直後) | 少なめ | 多め。スパイシーで辛口 | 高 | フーゼル油が多く、二日酔いや頭痛になりやすい |
ウイスキー(熟成済み) | 少〜中 | 中。角が取れる | 中〜低 | 熟成でフーゼル油が分解され、まろやかになる |
まとめ
お得イチオシは日本酒の純米酒を冷酒で!
日本酒は長期熟成をしなくても悪酔いしにくく、価格も控えめ。
冷酒なら揮発成分が飛びにくく吸収もゆるやか、ただ飲みやすいからと飲みすぎには注意。
- 揮発酸が多い若いワインは酸味や香りで頭痛になりやすい
- フーゼル油が多い若いウィスキーは辛味や二日酔いで頭痛になりやすい
- 日本酒は揮発酸・フーゼル油ともに少な目、ただし醸造アルコールが多いものや原酒には注意
- ワイン、ウィスキー等の熟成酒・落ち着いた酒は両方減るため頭痛リスク低下、ワインは5年以上、ウィスキーは12年以上。ただ価格はかなり上昇
- 飲む量やペースにも注意。少量ずつゆっくり飲むのが安全
人それぞれ体に合う合わないがあり、自分は若いワインだと悪酔いしやすい気がします。
安酒が悪酔いする理由を理解して、お酒と楽しく付き合いましょう。
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